せっかくHTMLの書き方を身につけるのですから、どうせなら「よい」HTMLを書けるようにしましょう。全ての学習と同じで、「よい」メソッドを身につけると、絶対に理解も早いしあとが楽になります。すぐにHTMLを書きたい人も、ちょっとだけ付き合ってください。
〔以上補足〕
なぜ最初から見出しを「MSゴシック」の16ポイントで書いたMicrosoft Wordの文書を使わずに、こういう一見回りくどい仕組みで文書を公開するのかっていうと、人によってコンピュータの環境が異なるからなのです。Macintoshには「MSゴシック」というフォントはありませんし、誰もがWordを使っているわけではありません。小さなモノクロ画面の携帯端末でページを見ている人もいます。そこで、誰もが情報を共有できるようにするために、環境に依存する文字の指定方法ではなく、「見出し」という意味上の位置づけだけを情報として加えておいて、ソフトウェアが読者の環境に合わせて表示する方法が考えられたのです。
こうしておけば、目が不自由な人で音声合成ソフトでページを「読み上げ」ている場合でも、“見出し部分は少しトーンの高い声でゆっくり読む”といった設定にすることで、文章を理解しやすくなります。また、ソフトウェアに「とりあえず見出しだけを集めて文章の要約を作れ」と指示することで、長い論文を効率的に調べることも可能です。
よいHTMLは利用者のためばかりではありません。正しいHTMLを書くことは「作者」にとっても大きなメリットになります。
HTMLとして公開するページは、大切な情報資産です。その内容は、多くの場合ブラウザなどのソフトウェアよりも長い寿命を持ち、何年にもわたって多くの人に利用されます。そのような貴重な情報が、特定のブラウザの特定のバージョンに合わせて書いたために、何年か後に正しく表示されなくなるとしたらとても残念なことです。
標準に従って文書の構造を示すように書かれたHTMLは、ブラウザの種類やバージョンに関係なく、常に正しく情報を伝えることができます。たとえ見かけ上の表現方法が変わっても、「見出し」や「段落」という構造表現の概念は変わることがないからです。大切な情報を息長く活用できるようにするためにも、ぜひ「よいHTML」を書くようにしてください。